【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第6章 ENVY
朝日が上りきった頃を見計らい、天守へと報告へ向かう。
すると途中、見たくもないが見慣れた顔を見つけた。
「家康様!戻られていたのですね、お帰りなさいませ。
ご無事で何よりです!
そうだ、お茶を…」
「いらない。今から天守に上がるから」
戻られたばかりなのに…流石家康様、なんて戯言を背に歩き出そうとすると、三成からまた呼び止められた。
「そういえば家康様、秀吉様を見かけられませんでしたか?」
「秀吉さん…?いや、まだ会ってないけど」
「そうですか…今朝からお姿が見えず、探しておる所でして」
「ふーん。見かけたら、声かけとく」
ふと此奴にもたまには優しくしてやっても良いか、なんて変な仏心が働いて、そう言ってみたが。
感極まったような、輝かしい程の笑顔をぶつけられ…やはり鬱陶しいな、と思い知る。
そして今度こそ三成に背を向け、足早に天守へと向かった。
「家康、戻ったか」
「…光秀さん。今朝早く、戻りました」
「ご苦労だったな」
廊下の先から、音も立てずに今度は光秀さんが姿を現した。
彼が朝から城に居ることは珍しい。
何かあったのだろうか、とその顔色を伺うも、相変わらず何も読み取れそうになかった。
「お館様の所へ行くのか」
「そのつもりですけど、何か」
「…いや、行ってくるといい。
俺も今、天守から下りてきた所だ」