【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
「光秀さん!あ、それ、干菓子っ…!」
「あぁ、持って行け」
流石光秀さん、どこかで聞いていたのかな――
盆に盛られた干菓子を受け取って、急ぎ茶席へと戻る。
その間に座布団なんかも配られた様で、先程までとは違い、すっかり皆寛いで、ラフな雰囲気だ。
「どうぞ、お一つずつお取りください」
政宗が一つ自分の懐紙に菓子を取って、盆を奥山様に回す。
奥山様が一つ菓子を取ったが早いか、それを口に放り込んだ。
ルール違反だな、なんてすっかり茶席に詳しくなったつもりの私は、その卑しい様子をついじっと見る――
しかし、奥山様が急に喉元を押さえた。
じわじわと、口角から唾が溢れてくるのを確認して、異変に息を飲み。
やっとの思いで声をあげようとしたその時、誰かが背後から私の両目を塞いだ。
「千花」
こんな時でも、心を落ち着かせてくれる低い声。
すがり付くように、名前を呼ぶ。
「いえやす、」
「そのまま、ゆっくり立って」