【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
「皆様、本日はよくぞお越しくださいました…おはんとうを務めます、千花と申します。
不慣れな事もあるかと思いますが、何卒宜しくお願い致します」
お辞儀をして、頭を上げ。
くるり、とお客様を見渡す…政宗と家康が何故か凍り付いているのに気付き、何か無礼な事を言っただろうか、と少し焦る。
「…伊達様、徳川様、あの、何か…」
「いやぁ、千花姫!お噂はかねがね伺っておりました、織田家の隠し雛だと!
漸くお会い出来ましたな、光栄の至りです!」
一番年配のお客様が会話を遮るように声を上げ、その言葉に二人もはっと我に返ったようで、また会話が再開した。
誰も何も言わないという事は、特に失礼も無かったのだろうか、とほっとする。
政宗と家康と一緒に茶席に着く、先ほど声を上げた方ともう一人の男性は親子らしい。
信長様の陣営に新しく加わられる事になった近国の大名で、奥山様というのだと、政宗が紹介してくれた。
「それでは、伊達様。本日は正客をお願いしたく」
「はっ。
千花様の御命とあらば謹んでお受け致します」
「…ほう、伊達殿が正客とな。
千花姫、宜しいので?
私も茶席には多く出席し、このような場にも慣れておりますぞ」
ここで政宗に正客を頼むのは出来レースだ。
茶席で亭主や半東とやり取りをするのは、主に正客。
質問の内容なんかを予めやり取りしてあるから、付け焼き刃の私でも何とかなる、と言う話だったのに――