【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第3章 aromatic
手を掴まれたまま、随分顔が近いまま、話し続ける家康に、速まった鼓動が落ち着かない。
そしてかけられた言葉を反芻し、また爆発するんじゃないかって程赤くなる――
その時、ふい、と家康が手を離し、厨の入口へと目を向けた。
「千花様、こちらに居られましたか…
おや、家康様も一緒だったのですね!」
「み、み、三成くんっ」
「…何、三成」
吃りまくる私と、明らかに不機嫌最高潮な家康。
そんなおかしな状況をもろともせず、三成くんはいつもの煌めく笑顔を浮かべたまま。
「実は、秀吉様が信長様に、千花様の甘味を召し上がられましたか、と尋ねられまして…
まだ食べていない、と信長様が大層ご機嫌を損ねておられるのです。
もし未だありましたら、信長様に差し上げて頂ければと思い、お探ししておりました」
「あーあ、秀吉さん、余計な事を」
「う、うわ…一番初めに持っていかないとダメだったよね…!?
家康、私、首斬られる…!!?」