【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第3章 aromatic
「…いいか、開けるぞ。
湯気が出るから少し離れておけよ」
「はいっ、先生っ」
政宗が厳かにも見える手つきで、蒸籠の蓋をゆっくりと開ける…
湯気が散った後のそこには、黄金色のかぼちゃとさつま芋、栗がキラキラと艶めいて整列している。
「おいしそう…!ちょっと味見、」
「こら、千花…数に限りがあるだろ?
これだけ蜜入だからさぞ甘いだろうよ、味見は無用だ」
「うぅ…はい、先生」
伸ばしかけた手を引っ込める。
偉いぞ、と言わんばかりに頭を撫ぜられ、その気持ちよさに目を細めた。
「わあ、政宗の手、あったかいね」
「…蒸籠を触ってたからだろ。
ほら、次はこれを全部漉すぞ」
政宗は何故か少し頬を赤らめて、ぱぱっと私から離れると、食器なんかがしまってある棚から漉し網を取ってきてくれた。
ごりごりと、匙を使って丁寧にこされていくそれを、私は豆乳で伸ばしていく。
全てペースト状になったら少しだけ砂糖を足す。
政宗がそれを新しい布巾に取って、きゅっと絞り、皿にあけた。