【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第7章 Folie Douce
「千花と、通じたのでしょう」
吐き捨てるようにそう言うと、信長様が驚いたように目を見開いた。
「大方、所有物に情が湧いたんでしょう?
なら、あんたが救いに行ってやらないと、あいつだって、」
あいつだって、いくら千花だって、哀しむでしょう。
がさつでじゃじゃ馬で意地っ張りで、弱っちくてすぐ泣くんだ。
今だって、泣いてるかもしれないのに──
「愚かだな、家康よ」
いつの間にか目前に迫っていた、低い声に顔を上げたが早いか、頬に張り手が飛んでくる。
まさかの事に油断していて、揺らいだ身体が無様に転げそうになるのを、なんとか堪えた。