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とある喫茶店での一日(10月10日)

第1章 レモネード滴る





晴れた秋の日。雲のない空には澄んだ青色が広がっている。
そこへ天人の船が通って、その跡にぴっと白い線が入る。
天人の船が作ったものでも飛行機雲と呼ぶのかな、なんて考えながら、腕を振り上げて背伸びをすると身体の節々がパキパキと鳴った。

かぶき町の隅にある小さな店の前で、私は開店の準備をしていた。
私の自慢の喫茶店だ。
テーブルは4つ、カウンターには6人が座れる程度のこぢんまりとした店。

子どもの頃から自分の店を持つことが夢だった。
ファミレスで就職して節約、貯金をこつこつと続けた。目標の金額になるまで時間はかかって、気付けば20代後半に突入、あっという間にアラサーになってしまった。
それでも夢を持ち続けて、目標を超えたところでファミレスは辞めた。

物件探し、改装などもこだわり始めると大変だった。これだ!と思えるコーヒーメーカー、ティーセットを見つけるのにも時間を費やした。
そうして、先月になって漸くオープンさせることができた。
小さな店だから、と接客も調理も全て1人で切り盛りしている。お昼時は忙しいけれど、やっぱり自分のやりたいことができるのは嬉しいし楽しい。

開店時間10時ジャスト。入口にかかったプレートをひっくり返して『準備中』から『営業中』の面に変える。
天気のいい日は無条件に気分もいい。なんだか素敵な一日になりそう!とわくわくしていた。



開店してすぐに今日最初のお客さんが入ってきた。

私はカウンターの中に入って仕込みをしているところだった。
昨日仕入れたレモンがとても美味しそうだったので、レモネードを作った。一晩寝かせたレモネードをグラスに注ぎ、口に含む。まだ酸っぱい。甘さが足らないかも。砂糖、はちみつを少しずつ加えながら味をみる。

お客さんにいらっしゃいませーと声をかけながら、カウンター内で作業を続けていた。きりがついたら接客しようと思っていた。



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