【黒子のバスケ】カラフルの中で~限りある時を共に~
第3章 相部屋って・・こいつと!?
『今の状況からして、直ぐに皆さんが帰れるとは思えない、と考えた時点で姉ちゃんは皆さんの今夜休む為の準備を初めてんすよ。』
『・・マジかよ、あいつ赤司並みに機転が利くな』
『あっ、だからって別に無理強いする気はないんで、赤司君がパソコンで調べて外に出たいのなら、勿論止めないッスから、取り合えず候補としてうちに寝泊まりするのは自由にしてくれて大丈夫って事ッス』
『・・翔、ありがとう。僕達の現状を考えると、そうして貰うのが最善だな。』
『マジッスか赤司っち!?』
『・・そうだね、パソコンでいくつか検索してみたけど、俺も赤司君の意見に賛成だよ。』
『氷室、理由は?』
ずっと黙ってパソコンに向かい合っていた氷室に、笠松は不思議そうに眉を寄せるそんな笠松に微笑み、パソコンを彼らに見えるように向きを変えた。
『これを見て下さい。イベントの一部のようですが、黒子のバスケには熱狂的な女性ファンが多く、コスプレ、いわゆる俺達の格好を真似てイベントに参加する子も多い、だけど男性のコスプレを見た感じだと俺達と似ても似つかない人が多い。』
『あっ、全然似てねぇーつか怖いッスね』
高尾が思わず呟いた画像の先には、難いの良い男性が黄瀬のコスプレをした姿だが、全く似ていない姿に苦笑いしか浮かばない。
『逆にとてもクオリティの高いコスプレも見つけたんだけど・・見てくれ』
それは長身の端正な顔立ちの女性が赤司のコスプレをしている姿だった、美しくもあり、どこか色気のある出来映えに思わず思考停止してしまう。
『女の子が赤司っちの格好って意外だけど、綺麗ッスね・・。でも氷室さん、これが何か?』
『彼女はコスプレ界でも有名らしく沢山のファンもいるらしい、赤司君・・ここまで言えば分かるよね?』
『そうですね、確かにこのまま11人が外へ出るのは危険か・・』
『そりゃ赤司や黄瀬だけだろ、俺は関係ない』
『花宮、それは違うよ。』
『うるせぇな、女なんか簡単に黙らせる手段はある。俺は出ていくぜ。』
『待て花宮!』
氷室が慌てて花宮の腕を掴み止めようとするより早く、花宮の前に翔が立ちはだかった。