【黒子のバスケ】カラフルの中で~限りある時を共に~
第3章 相部屋って・・こいつと!?
言葉を切った翔の目付きが変わり
花宮は目を見開く
『姉ちゃんを泣かせるような真似をすれば、只ではおかない。』
其までの砕けた笑顔を振り舞いていた男から一変、冷めついた氷のような瞳の翔に
皆言葉を無くす
『・・お前、いったい』
『あ~でも、姉ちゃんの泣き顔ってもう10年以上見てないし、滅多な事では表情も変えない人なんで、安心して下さい。』
『・・・・』
本当に同一人物かと思わせる程の
翔の満面の笑顔に、花宮は舌打ちをして
顔を背けた
そんなやり取りを近場で見ていた氷室もまた
一人口元を覆うよう手をそえ
考えを巡らせていると、
リビングへ戻ってきたは
二台のノートパソコンをテーブルに置く
『使い方は変わりないと思うけど、何か分からない事があったら翔に聞いてね。』
『ありがとう。』
一台は赤司が、もう一台は
他のメンバーが交替で見ていく
その間は翔にメンバーを任せ
2階へと消えてしまった
『へぇ、俺達の漫画って人気あるんだな、映画に迄なってんぞ。』
『あっ、ごめん。今更なんだけど・・』
『ん、何だ翔?』
パソコンを囲い、火神と高尾が盛り上がる中
翔が気まずそうに言葉を濁したので
笠松が問いかける
『笠松さん達三年生はもう引退してますか?』
『ああ、引退して今は受験勉強をしているが』
『はぁ~良かったぁ』
『何の事だ?』
『俺思わず黒子のバスケ全巻渡しましたけど、もし引退前・・つまり対戦中に此方の世界へ来ていたら、未来の内容を暴露した事になるじゃないですか。だから、焦っちゃって』
『そうか、なら心配はない三年の年明けた2月の時期にここへ飛ばされたって事になる』
『なら受験日迄日がないじゃないッスか!勉強大丈夫っすか?』
『余り大丈夫ではないが・・。お前は、いい奴だな。』
『へ?俺いい奴とか言われた事ないッスけど』
『そうなのか?ここまで丁寧に説明して、俺達を心配してくれる奴はそういないだろ。』
笠松の意外そうな反応に
頭をかきながら視線を反らしてしまった翔、
実のところ、本来の彼は余り人当たりは
良くないのだ、先輩に対してはとくに