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Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人

第23章 親友




「……それについては、私からは何も言えないかな。ペトラ次第だから。でも、エミリ次第でもある」

「……私たち次第、ですか」

「うん。エミリ、ペトラと仲直りしたいって、本気で思ってる?」

「はい!!」

「なら、きっと大丈夫」


正直、二ファからするとあまり心配はしていなかった。これくらいで決別してしまうほど、二人が紡いできた絆は脆くない。
少なくとも、二ファから見た二人はそれ程に強い関係性を築き上げていると思っている。


「ねぇ、一つ気になったんだけど……仲直りの仕方がわからないって言ってたよね? 友達と喧嘩するの、初めてなの?」

「……はい。あんまり、誰かと深い関係を持つことを、私自身が避けていたので……」


誰かが自分から離れていく度に、傷つけ、傷つけられる度に、友達を信じるのが怖くなっていった。胸の痛みを感じたくなくて、ただ、心に囲いを作って踏み込まれることも、踏み込むことも避けていたのだ。
友達なんていらない、と。

幼馴染であるフィデリオとはよく喧嘩するものの、それは、今回、ペトラとの間で起きた喧嘩とは種類が違う。


「だから、わからなかったんだ」

「……はい」


今も不安な気持ちを抱えているエミリだが、彼女の話を聞いていると、成長が感じられた。

友達を作ることを避け、喧嘩もしてこなかった彼女が、いま、大切な親友と向き合おうとしている。その姿は、確かにエミリの成長を表しているのだ。
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