Vergiss nicht zu lacheln―進撃の巨人
第4章 相棒
それぞれの配属班が決まり、新兵達は早速各自班長の下で行動することとなった。
ちなみに、オルオはゲルガー班、ペトラはナナバ班に配属された。四人ともバラバラの班に所属することとなったため、夕飯まで顔を合わせることはないだろう。
「やあ、エミリ! 今日からよろしく頼むよ!」
「こ、こちらこそ! よろしくお願い致します!」
ギュッと両手を握り、顔を寄せるハンジに圧されエミリは少し顔を引き攣らせる。
なんて元気な人なんだ、と違う意味で感心した。これは間違いなく、巨人の話を語られるに違いない。妙な不安が込み上げてきた。
「分隊長! あまり新兵を怖がらせないで下さい!」
「ああ、モブリット! いい所に!」
「人の話聞いてんですか!!」
ハンジの部下であるモブリットという兵士の話を無視して、自分の話を進めようとするハンジ。二人のやり取りを見てエミリは思った。
(うわ〜……大変そう……)
他人事だと思って呑気にそんなことを思ったが、もしかしたらこれから自分も彼のようにこうして振り回される時が来るかもしれない。
まあ、その時はその時で何とかしよう、とすぐに流した。
「彼が私の班の副分隊長であるモブリット・バーナーだ」
「えっと、エミリ・イェーガーです! よろしくお願い致します!!」
「こちらこそ、よろしく」
「じゃあ! 早速、実験室に案内するよ!」
「分隊長! そんなことよりも制服と馬が先です!!」
「あ、本当だ〜」
本当に色んな意味で不安になってきたエミリであった。