第33章 野球部部室にて②阿部side
田島「へー!阿部とのぞみって知り合いだったんだ。やっぱ兄ちゃん繋がりか?」
阿部「兄ちゃん?」
田島「武蔵野のエースだよ!」
三橋「榛名さん、す、すごい人!」
阿部「え? あいつ妹なの?」
田島「そーだぜー。」
おいおい、先に言えよ。シスコンの話してしまったじゃねーか。やべー。なんか榛名にわりーことしたかも。だから、あいつ急に気まずそうにしてたわけかぁ。
栄口「なーんだ。田島ってすげー嫉妬深そーなのに案外、寛容なんだ。」
田島「野球部のやつがのぞみと喋るのはいいぜ。でも、テニス部のやつがのぞみと喋ってるとムカつくんだよなー。」
栄口「なんだよそれー。」
田島「てか、おまえ俺のこと、わざと阿部に嫉妬させて怒らそうとしたのー? 栄口って、Mに見えて意外とSだな。」
栄口「えぇー。そうかな?確かにSかも。」
田島「じゃー、無理矢理やるのとか好きなわけ?」
田島の顔がニヤニヤする。
こいつら朝から何の話してんだよ。
栄口「あー、あり。無理矢理して、泣きながら、やめてとか言われたらヤバイかも。」
田島「それはヤバイ!興奮する!!」
花井「おまえら、朝からいい加減にしろよ。」
花井、おまえはやっぱキャプテンだ!
田島「えー、なんだよー。花井、お前はMだな!」
部室中で笑いが起きる。
花井「んな! おまえ何言ってんだ!」
田島「お前はMだろ。だって、モモカンはSっぽいし。」
花井「なんでモモカンがでてくんだよ!」
田島「えー。でも、年上好きだろ?」
花井「ま、まぁ。」
田島「それでリードされたいんだろ?花井くん、キスしてあ・げ・る♡みたいなぁ!」
田島のモノマネがどっと笑いをさそう。
花井「うるせー!」
田島「いいじゃねーか。個性だろ個性!」
花井「たじまぁ!」
田島「いてっ!」
今日も野球部は賑やかでバカである。