第1章 クラスのおちょうしもの
田島「やっべー!泉に借りてたエロ本、家に忘れた!今日持ってこいって言われてたのに!」
女子がいることも気にせず、大声を張り上げるバカなあいつ、田島悠一郎。普通、こんなでかい声で、エロ本とか叫んでたらきもいって言われるはずだが、田島の場合は違う。クラスの女子は、可愛いとクスクス笑っている。あいつは、クラスの弟的な存在で何を言っても許される、そんなやつだ。
私はテニスの朝練で疲れ果て、机にだらーっとしていると、上から冷たいものがかかってきた。
のぞみ「キャッ、つめたぁ!」
どうやら田島が騒いだ調子に飲んでた水をこぼしたらしい。あー、制服びしょびしょ。まぁ夏だからすぐ渇くかなぁー?
田島「うわ!ほんとわりー! ごめん、ブラウス濡れてんじゃん!」
のぞみ「別にいいよ、夏やからすぐ乾くって、まぁ水やし汚くないし」
田島は大きな声でいう。
田島「だめだめ!だって下着透けてんじゃん!」
田島の声に反応して、クラスの男子が私の方を振り向く。もー、田島に悪気がないのは分かるが、もうちょっと言い方考えてよ。はずかしい。
のぞみ「んー、でも部活着、部室に置いてきてもーたし、いいわ。」
田島が自分の鞄をごそごそあさる。
田島「俺のやつ着ろよ、な? てか早く着替えて、スケスケだって、ピンクのブラ、わっ!」
田島から服をひったくり、分かったから!とつい大きな声を出してしまう私。色まで言わなくていいでしょ。たじまぁ!