第9章 人里離れた山奥へ
『え・・・?』
一瞬何が起こってるのかわからなかった。
わたしはリヴァイ兵長に抱きしめられている。
『あ、あの・・・?』
「少し、このままでいさせてくれ」
周りの兵士の目が痛いほど刺さる。
・・・隣にいるコニーもその中の1人だった。
『り、リヴァイ兵長!み、みんなが見てます』
「・・・見せておけばいい」
彼はそう言うと腕に更に力を込めた。
心臓は追いつかないほどドクドク動いている。
・・・温かい。凄く落ち着く。
さっきまで自分でもわからない感情に押しつぶされそうだったのに
リヴァイ兵長と話をして抱きしめられただけでこんなにも
落ち着くなんて。
するとリヴァイ兵長はわたしのことを離した。
「・・・悪い。」
彼はそういうとスタスタと歩いてどこかに行ってしまった。
『・・・な、なんだったんだろう。』
リヴァイ兵長のぬくもりが残る肩に手を持っていく。
心臓は収まることを知らずドクドクと煩い。
わたしは赤くなった顔を抑えるのに必死だった。