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【進撃の巨人】美しく残酷な世界で

第9章 人里離れた山奥へ








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「エルフィ、腕は大丈夫か?」




俺はそう問いかけた。




無理をするなと言っているのに自分の班に入れるなんてめちゃくちゃな気がする。



こいつはハンジと一緒に行動した方がいいのかとも




考えたが今はそんなことを言っていられるほど余裕がなかった。




『少し痛みますがこれくらいなら大丈夫です』




そういうとエルフィは腕を振り回した。




「そうか」




こいつは俺の班だと言ったときなんとも言えない表情をしていた。




「・・・さっき、何を考えていた」




『え・・・?』




心当たりがあるのだろう。表情が曇る。




『・・・自分でもわからないんです。



なぜだか、旧リヴァイ班の方たちの顔が浮かびました。』




「ほう?」




『・・・恐怖なのかわかりません。ただ、それだけです』




「そうか。」




第57回壁外調査で戦死した元々俺の班員たちは確かにこいつと親しげにしていた。




特にペトラとはよく話をしていた気がする。




「・・・この短ぇ間には色々あったが当初の目標が変わったわけじゃねぇ。




要するにウォールマリアにある穴を塞げさえすればいい。




それさえ叶えば大抵のことはどうだっていい。




隣の奴が巨人になろうが毛むくじゃらの巨人が岩を投げてこようが




壁の中に多少巨人が湧こうがな。」





『・・・そうですね、まずはウォールマリア奪還。




そのためにはエレンが硬質化できるかの実験をおこなうってことですね。』




こいつは頭の回転が速い。




「・・・そういうことだ。」




『・・・やっぱり・・・リヴァイ兵長と話してると




少しのことでくよくよしてる自分が馬鹿らしくなります。




この残酷な世界でわたしの希望はリヴァイ兵長なのかもしれません』




そう彼女はいうと初めて見たときに心を奪われた顔で俺に笑いかけてきた。




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