第8章 ラガコ村調査
わたしたちはラガコ村に来ていた。
確かに周りに巨人は見当たらずウォールローゼの住民も避難しているため凄く静かだった。
「でも、妙だよな・・・
巨人が一滴の血も残さずに集落を壊滅させるなんてことが・・・」
調査兵の1人がそう言っているのが聞こえた。
「逃げたんじゃないか?巨人に食われて一切痕跡が残らないなんてありえないだろう。
誰も食われてないってことじゃないのか?」
「・・・村人の避難が本当に完了していたというなら
巨人が誰もいないはずの空き家を徹底して壊したりするか?
しかも、多くの馬が繋がれたままだぞ?
馬無しで逃げても生存の可能性は相当薄いだろう。」
確かにその通りだ。
巨人が人間がいない空き家を壊すことがあり得ない。
・・・奇行種?
「エルフィ、この状況を見てどう思う?」
『・・・巨人が空き家をわざわざ徹底的に破壊するとは思えません。
奇行種でもないかと・・・。
馬も繋がれたまま。住民が避難したっという線は薄いかなと思います。』
「んー。そうだよね、わたしもそう思うんだ。」
『しかも、この巨人・・・手足がこんなに細く動けないのに
どこから来たんですか・・・?』
もしかして・・・巨人の正体って・・・
わたしは思い付いた考えをかき消すかのように首振った。
「・・・ラガコ村出身の者はいるか?」
ラガコ村・・・わたしは記憶を必死で思い起こす。
訓令兵団時代・・・聞いたことがある気が・・・
『・・・コニー・・・?
た、確かコニーがラガコ村出身でした。
訓令兵団時代そう聞いたことがあります。』
「あの小さい坊主の子?」
『そうです。』
もし、コニーの故郷なら・・・わたしは胸が痛くなる。
「今すぐにラガコ村の住民が避難していないか全突出区を調べよう。
モブリットとエルフィはわたしともう少しここの調査だ。」
『はい!』