第3章 第57回壁外調査
「エルフィ!こっちだ」
ハンジさんに名前を呼ばれてハッとする。
「わたしたちは、四列中央だ。任務を遂行しよう。
・・・あと、リヴァイ班は五列中央で待機だ」
『五列中央、待機・・・ですか?』
作戦遂行前に聞いていた陣形と違う配置にいるリヴァイ班の場所に疑問を覚える。
「・・・今回の壁外調査はただの名目でしか過ぎない。
何人犠牲者がでるかわからないが信じてついてきてほしい。
・・・エレンを頼むよ」
『え・・・?』
言っている意味がよくわからなかった。
「わたしは行かなくてはいけないからモブリットとケイジと行動を共にするように。」
ハンジ分隊長は念を押すように「わかったね?」と言うと馬を次列中央へと走らせた。
『ど、どういうことだろう・・・』
「俺たちは任務を遂行するだけだ。
分隊長の言ってることを信じよう」
『はい!!!!』
馬を走らせる。ここは平地だから立体起動には不向きだ。
巨人に遭遇しても立体起動には移れない。
パーン・・・
煙弾が上がる。
「黒の煙弾だ!」
・・・奇行種の合図だ。
奇行種の場合は積極的に倒していかなくてはいけない。
でも、ここで立体起動には・・・
「ここでは立体起動は不利だ。」
「エルフィ!!!俺たちはここを片付けてから行く。
お前は索敵援護班に伝達してきてくれ。
陣形がくずれてやがる」
『了解です!!ご武運を!』
ケイジさんにそう告げるとわたしは索敵支援班の場所まで馬を走らせる。