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なにがあっても、あなたを守るから…

第5章 緊急事態…


景勝「……」

「景勝くん?」

黙ったままの景勝くんに声を掛けると

景勝「……ううん、それでも、だめ」

景勝くんはきっぱり言い切ってから、兼続さんの方を向いた。

景勝「兼続……先に行って、父上にこのことを伝えて…。僕は…彼女たちを連れて帰るから…」

兼続「馬鹿、何言ってんだ!」

兼続「お前は上杉の後継者なんだぞ!? 武田軍に見つかれば、確実に殺される」

(殺.される!? 景勝くんが…!?)

景勝「危ないのは、彼女も同じ……」

兼続「いや、こいつなら見つかっても、村娘ってことで、見逃して貰えるかもしれないだろ!?」

私も、兼続さんに同意しようとしたが 先に景勝くんが…

景勝「かもしれない……でしょ? もし、見逃して貰えなかったら……」

兼続「景勝……っ! 何でそこまで、その女に肩入れすんだよ!?」

兼続さんの言葉に、景勝くんは迷わず答えた。

景勝「彼女は…… 父上が守ると決めた、大切な人だから……」

景勝「絶対に……守らなきゃ……」

(私よりも、上杉軍の後継者の景勝くんの方が危険なのに…)

「景勝くん………」

兼続「……ちっ、分かったよ」

兼続「だが、気をつけろよ、景勝。それと、お前! 景勝の足、引っ張るんじゃないぞ!」

「はい!」

兼続「よし! なら、さっさとふもとまで駆け下りるぞ!」

ふもとまで行き、村の人に事情を話すと、一番速いという馬を貸してくれた。

兼続さんはその背に跨ってから『気をつけろよ!』と言い残して、馬を飛ばし、城へと戻って行った

そして、私とイマリくん、景勝くんも物陰に隠れながら、敵兵に見つからない様慎重に歩き出した_
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