• テキストサイズ

なにがあっても、あなたを守るから…

第4章 面白い二人…


元の世界に帰る手がかりを探すため、

私たちは、『神牙』に来てから最初に目覚めた場所_

山中を目指していた。

(はあ、はあ……。 山道を歩くのって、やっぱりきつい…!)

景勝くんも兼続さんも、慣れているのか平気な顔で、やすやすと登っていく。

対して私は、遅れない様ついて行くだけで精一杯。

(普段から、体育の授業とか部活とか……真面目にして体力つけておけば良かった……)

と今更過ぎる、後悔の波が押し寄せて来た

景勝「……疲れた? おぶろうか?」

前を歩いていた景勝くんが私を見ながら、声を掛けてくれた

「あっ、ううん、自分で歩けるから……」

(気遣ってくれるのは嬉しいけど、さすがにおんぶは恥ずかしいし…)

(それにもし、景勝くんに重いって言われたりしたら……私、ショックで立ち直れないよ!! 絶対……)

兼続「だったら、ちんたらしてないでさっさと歩け」

「はい、すみません……」

景勝「兼続、その言い方はさすがに…… 女の子相手なんだし…」

景勝「僕たちが、彼女の歩く速さに合わせた方が良いんじゃ……」

兼続「ああ? 何言ってんだよ景勝。そんなことしてたら、あっと言う間に夜中になるぜ」

景勝「そうかもしれないけど……」

(ど、どうしよう……私の所為で二人が言い合いしてきちゃった…)

兼続「だいたいさ、お前がこの女の事、気に掛ける必要なんてないって」

景勝「……じゃあ、兼続が僕の代わりに彼女をおんぶしてくれる?」

「えっ?」

景勝くんの意外な言葉に驚く

兼続「はぁ!? 何でそうなるんだよ!」

兼続さんも驚いてるみたいだ

景勝「え……だって、僕が彼女を気遣う必要ない……ってことは……」

景勝「代わりに兼続が、気にかけてくれるからだと思って…」

景勝くんは、さも当然の様に言った

兼続「そんなわけないだろ! そもそも、この女は自分で歩けるって言ってるんだしな!」

景勝「うーん……。僕には彼女が無理して『大丈夫』って言った様に思えたんだけど…」

兼続「……」

景勝「……」

兼続「……ちっ、仕方ないな。なら、一旦休憩にするか」

一瞬お互い見つめ合うと、兼続さんは渋々言った

景勝「……うん。ありがとう、兼続」

「あ、あの…… ありがとうございます!」

私は二人にお礼を言いながら深々と頭を下げた_
/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp