第3章 *ひみつの…【梶裕貴】
朝起きて、コーヒーを入れる。
やっぱり豆から挽くのが一番。
とくに休みの日は、必ず毎朝コーヒー豆を挽く。
おそろいのマグカップに出来たコーヒーを注ぎ、テーブルへ運ぶ。
……誰もいない。
まだベッドの上なんだろう。
ドアを開け寝室に入り、カーテンをシャッと開ける。
「ん……んん〜」
布団の中でもぞもぞと彼が動く。
『かーじーくんっ!』
私はその彼の布団を剥がし、ぎゅっと抱きつく。
「んっ……」
まだ寝ていたいのか、少し嫌そうな顔をする彼。
『起きて〜、朝だよ!』
目をこすり、腕をいっぱいに伸ばす。
「んん〜〜っ」
あくびをひとつすると、ふいに私にキスをする。
「おはよ、みくちゃん」
そしてふにゃっと笑った。
ああ、朝から幸せすぎるっ!
天使!なんて天使なの!!
『おはよっ!コーヒー入ってるからリビングおいでね〜』
「ふぁい」
身体を起こし、もう一度伸びをする梶くんを横目に、私は寝室を出た。
今日は久しぶりに2人揃ってオフ。
なにしようかな〜