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[HQ]SweetDrop

第3章 雨


※夜海


あれから数日がたった。

松川に会うと緊張してしまう。
そして、貴大は挨拶程度はするけどなんだか避けられている気がする。
やっぱ彼女が出来たからだよね…。



2年の三学期は、4月からは受験生だと言われるあげく、卒業式の準備や、少ない日数なのにテストも入って結構忙しい。

それなのに、もうすぐバレンタインなのだ。


いつもは、生チョコやトリュフを作ってバレー部や美術部の皆に配っていた。
けど、今年はなんだか、やる気が出ない。
最終的には作るのだろうけど、今年は貴大の誕生日に付き合って、バレンタインは貴大のだけちょっと手の込んだお菓子を渡そうと思っていたからだ。

でも、その計画は崩れた。

いつもの通り、みんなと同じ物を渡せばいいのだろうけど、どんな顔して渡せばいいのか…
そんな事ばかり考えてしまう。


『はぁ…。』

昼休み、由紀と食堂でご飯を食べている時につい、ため息をついてしまった。

「なに?また恋の悩み?」

『ま、まぁーそんなとこ…?』

そういうことに鋭い由紀に言われ、静かに頷く。

「なんで、疑問形なのよ。」


『由紀はさ、恋とかしてないの?』

ふと思ってた聞いてみると、由紀は少し考えてから言った。

「今はしてないなー。でも彼氏は欲しいとは思ってるかな。」

前向きで恋をするのを楽しそうに言う由紀が可愛くて、少し羨ましく思えた。
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