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Diable Patron

第8章 二人の昇進と二人の進歩


私があの発言をした後、少しだけ空気が冷たくなった気がした。


「なんでそれを気にするんだ?」



私の中ではわりと重大な案件だったりしたのでその発言に驚く。



「…私は、裕の一番になりたい。それって間違ってることなのかな。」



私は少しそれをいうのが気まずくて下を向いてしまった。



「?なんでそうなるんだ??」



けれど裕は疑問に思っているようだった。



この人はここまで鈍感なのだろうか。




本当は言いたくない。



言いたくないけど、言わないと伝わらない。



「だから、仕事より、私を一番にしてほしいの!」



私が思いきってそう言うと



「とっくに由架が一番だ。何言ってるんだ?」



と返された。



え?じゃああの隠しましょう宣言はなんだったんだろう?



私は疑問で疑問に返す。



「だって、一緒な部署にいる限り隠しておきたいみたいなこと言ってたじゃない?」



「あー、それは…」



その疑問に裕の口がピタリと止まった。



けれど私は気持ちに任せて「それは?」と聞き探るように聞いてしまう。



「お前が困るかと思って。」



「へ?」



私が解釈していたような内容とはかけ離れた答えに私はアホな声を出してしまった。



「…ごめんなさい、私どうやら勘違いしてた。」



私は反動的に謝る。




「いや、いい。俺も誤解を招くことしてたみたいだからな。悪かったよ。」



すると裕も私に謝ってきた。




どうやら、今回の事案は私と裕の間での会話で勘違いがうまれてしまったようだった。



そこで私たちはお互いの勘違いに対する、誤解を互いに弁解し始めた。
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