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Diable Patron

第7章 兄の考えと二人の気持ち。


そして、それから数日が過ぎ、私はやっと自分の仕事を大方片付けることができた。



仕事終わり、私と裕以外誰もいないその空間。



私はそこで裕に話しかけた。



「あの、部長」



「どうした、日向。」



裕は私の声かけにPCの画面を見ながら応答した。




「明日から五日間ほど有休を使いたいのですが大丈夫ですか?」



私がそういうと裕のタイピングしていた手はピタリと止まった。




「長期休みか?」



裕は、私にそう聞く。




「はい、仕事もある程度片付きましたし少し休みたくて。」



私がそう言うと少し険しい顔をしながらも



「わかった。ゆっくり休め。」



そう言ってまたPCの画面を彼は見つめていた。



いつもなら、裕が仕事終わるのを待ってる。



けれど、今日は「お先、失礼します。」といって会社をあとにした。



先に家に帰って、自室で小旅行に必要な最低限のものを鞄にまとめる。



そして私は部屋にあったメモに



[少しだけ、出掛けます。有休が終わる頃には帰るので、気にしないでね。]


と書いてリビングのつくえの上に置いた。




そして私はそのまま最寄り駅に行って、そこから大きな駅へと電車で移動する。




そこで、私は電工掲示板をボーッと眺めていた。



今すぐ行けそうなところで、なおかつ席がいている新幹線を探す。




けれどどこに行こうかまではあまり考えてなかった。



ボーッと旅行パンフレットコーナーを眺めているととある町が目にはいった。




[小さな港町に小さな幸せ見つけませんか?]





そうかいたパンフレットはここから新幹線で三時間ほど乗ったところにある、港町だった。



「そこ、いってみよっか。」



私はそう一人で呟いてその港町までいける新幹線のチケットを買った。
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