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Diable Patron

第18章 大好きな職場。


私と裕がしばらく茫然としてると姉は私たちにいった。



「仕事が嫌いになったとかそういう訳じゃないよ。ただね、仕事よりプライベートが一番になったってだけ。おうちのことして、ご飯つくって、旦那が帰ってくるの待ってるのもいいかなって。」



そのとなりで壮さんは何も言わず見守っていた。




日常の会話中にでた突然のカミングアウト。



私はそれに対して受け入れられずにいた。




姉の仕事は雑誌の編集。



そのため取材にいろんなところに足を運んだり、雑誌にのせるときの文を作ったり。



昔から忙しそうだったイメージがあった。



特に姉は飲食店等の取材をメインにしていた。




自分の好きなことを仕事に。



それを実行していたのが姉だった。




ことの発端は私たちがまだ学生時代のときにまで遡る。





昔から姉はスイーツ等の甘いものがすごく好きだった。




そしてある日姉は突然いい始めた。




「好きなこと仕事にする。」




てっきりパティシエとかそんなようなことを言うものだって思ってた。




でもその予想は外れて、



姉は自分の好きを[伝える]ことを仕事にした。




それまでの間姉も苦労しなかった訳じゃない。



求人を出している出版社を探すのも一苦労だ。




そしてそれを見ていた私は姉が仕事をやめると言い出した理由がわかんなかった。



けれど、姉の出した結論に文句はない。





私たちが口を出すようなことではないのだから。

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