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Diable Patron

第16章 籍をいれると言うことの重み


裕Side


由架と付き合うようになってから、俺は休日出勤を減らした。



しっかり休みを取るようになり、少し心にゆとりができた気がした。



部下からも「最近の本部長、表情が柔らかくなりましたね。」等と言われるようになった。




それで、今日は久しぶりの休日。



由架は友達の結婚式に出掛け、俺は家で家事をこなしていた。




うちは同居を始めた時から家事は分担制。




[同居]が[同棲]に、変わってからもそれは変わらない。




パリン



それでもあの話を由架にしてから、俺は仕事にも家でやることにも力が入らなくなっていた。



目の前に目をやればそこには皿の割れた残骸があった。




それを慌てて片付ける。



こんなことがある度、



「自分はここまで人に振り回される人間だったか?」



等と思う。



前までは自分の昇進だけを考えて、仕事のことだけを考えて、行動していた。



部下が良いことをすれば誉めるし、失敗すれば怒り間違っている部分を徹底的に教え込む、それだけの日々だった。



それはそれは部下から見れば怖い上司だっただろう。



でもそれを表沙汰っていってきたやつなんていなかった。




初めて嫌な顔を表情に出したのが由架だった。




初めて好きになった人が由架だったし、人との交友を学んだ気がした。




でもこの思いが彼女にとって重いなら距離をおいた方がいいのだろうか。



どれだけ考えても自分的答えはでなかった。
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