第16章 籍をいれると言うことの重み
とある休日。
私は友人の結婚式に訪れていた。
披露宴の用意された席に座り、友人たちと会話を交わす。
そして気まずいことに別のテーブルには、幸弥も共通の友人だったからか、彼の姿もあった。
もう二度と会わない。
心のどこかでお互いに決めていたはずなのに予測がいにもこんなところで再開をはたしてしまったのだ。
けれど、お互い知らないふり。
それをみた友人は私に不思議そうに聞いた。
「どうしたの?彼氏と喧嘩でもした?さっきの彼と付き合ってたよね?」
その疑問に私は
「色々あってね、別れた。」
とさらりと答える。
「え?嘘?あんなに仲良かったし長く続いてたのに!?」
友人は驚く。
すると隣にいたもう一人の友人が、
「で、新しい男でもできた?」
なんて聞いてくる。
「まぁね。それなりには。」
私はそう返答をはぐらかした。
するとその友人たちは私に言った。
「私たちが口を出すことじゃないのかもしれないけど、あんた結構いい人逃したと思うよ。」
「そうだよ、今なら戻れる。」
けれど私は前みたいに戻りたくなかった。
裕に結婚について聞かれたとき、鈍くしか返事ができなかった。
私はその自分の反応に、彼のことを好きじゃなくなったんじゃないかって怖かった。
けれど、友人に言われた言葉で私は思った。
別に彼を好きじゃなくなったわけじゃない。
自分に結婚する度胸がなかったからあんな反応になったのだ。
だから私は友人たちに自信を持って答えた。
「一生、好きでいられてお互いに支え会える人見つけたの。」