第15章 兄姉夫婦の知らなかった隠し事。
裕Side
ここ最近、兄からの連絡がまったくといっていいほどない。
俺が送った内容もスルー、電話を掛けても無視。
すべてにおいて俺を拒絶しているようだった。
何故だろうか。
俺は不思議に思い、兄夫婦の自宅へと足を運んだ。
ピンポーン
ドアチャイムが響く。
すると、兄ではない声で
「はーい」
と聞こえ、扉が開いた。
「あ、裕くん。いらっしゃい。」
そう言って出てきたのは莉架さんだった。
彼女は玄関先で用件を聞くまでもなく、俺を自宅の中へと上げた。
「飲み物、何がいい?コーヒー?紅茶?オレンジジュース?」
そう聞かれたのは俺は
「オレンジジュースで…」
といった。
しばらくすると俺の前にはオレンジジュースが並べられ、彼女の前にはコーヒーがあった。
「それで、今日はどうしたの?」
そう優しく聞いてくれる。
なので、本題を告げる。
「…兄さんが最近連絡をとっても返答ひとつくれないんですけど、何か知らないですか…」
そう聞くといつも笑顔な莉架さんの顔が曇った。
「………あのね…裕くんは知ってるって私は聞いてるんだけどね、壮はあなたと血の繋がってる兄弟じゃなかったこと相当ショックだったみたいなの。」
そう言われたときにハッとした。
父は兄にあの事を言ったのかと。
近々言わなきゃと口にしていたのは聞いていたが、俺が知らないうちにその真実が明かされていたのだ。
「これは…私からのお願いになっちゃうんだけど…」
莉架さんは俺にいった。
「壮にあなたの口からそれを言ってあなたが彼に思っていることをはっきりいってあげてほしいの。」