第15章 兄姉夫婦の知らなかった隠し事。
壮Side
それを言われた後、僕は何も言うことなく、実家を出た。
何があったのかを理解ができなかった。
帰り道をたどっているうちにだんだんと話を理解していく自分がいた。
そして莉架が帰ってくる頃になればあの有り様だ。
情けないところを見せてしまったなと思いつつも何もなかった風に振る舞える訳もなくて。
冷静に考えてみれば、僕と裕は顔もにていなければ性格も真逆だ。
両親ともあまりにていない風に見えた。
認めざるをえないことが思い浮かぶ度にすべてを無かったことにしたくなった。
だからって裕が嫌いになったわけじゃない。
裕と兄弟じゃないのかといわれればその答えはNOだ。
でも、それでも、血が繋がってなかったこと、[僕にだけなにも言わなかったこと]がショックだった。
そのタイミングで裕からたまたま連絡があったものの、既読無視をしてしまうし、莉架には冷たくしてしまった。
そんな対応をした自分にも嫌気がさした。
でも、それでも、莉架は不快そうな顔をするどころか、微笑みながらご飯を作ってくれた。
「ありがとう」
そうお礼を告げて僕はそれを食べながら思う。
[彼女も家族なのだから伝えなきゃな。]
僕はご飯を食べた後、彼女に自分が聞いたことをそのまま伝えることにした。