第14章 家族会議
母が出ていき、帰ってくる様子もしばらくないと悟った私はおとなしく自宅に帰宅した。
「ただいま。」
気落ちした声で帰宅すると裕が私の帰宅を待っていた。
「おかえり。」
そう言う彼はいつもと少しだけ様子が違った気がした。
「何かあった?」
私がそう聞くと「何もない、気にするな。」と答える。
無理に聞く必要もないかなと思い無理には聞かなかったが、そのうち聞かなきゃなと思いながらも人のことを心配している余裕が私にはなかった。
「…どうだった?」
彼は私にそう聞く。
大体、この言葉を指すものは何か。
私にはすぐに予測がついた。
「お母さんと喧嘩になっちゃった。」
私がそう言うと裕は驚くことを口にした。
「…今は、まだ結婚する予定はないけど」
その言葉のあと少しだけ間ができる。
そこには次の言葉の重みが含まれていた。
「結婚、するなら事実婚でもいいんじゃないかと思ってる。」
そう言う彼はどこか落ち込んでいた。
きっと何かあったんだろうな。再びそう思う。
「…そっか。」
私はそれしか答えられなくて。
よくよく考えてみれば私なんかの存在のせいで裕が家族の籍を抜けるといい始めているわけだ。
もし、彼が落ち込んでいる原因がその事を受け取ってきましたので止められたからとかなら、私たちはお互いにお互いの関係を何かしら接点をもって止められているということになる。
そんな私たちがこのまま一緒にいていいのだろうか。
私は疑問を持った。