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Diable Patron

第11章 部下の憂鬱


裕Side


昼飯を食べて、俺たちはまた館内を回っていた。



「裕。あれ、食べなくていいの?」



そう彼女が指差した先には




[数量限定!海の仲間たちアイス!]




とかいたポップが飾られていた。




「…甘いもの好きなの、何で知ってるんだ。俺言ったことあったか?」




そう言うと、




「聞いてないけどお姉ちゃんから聞いた」



と満面の笑みで話す、由架を見て思い出す。



莉架さんにパンケーキを頼んでいたところを見られたことを。





「…食べたい。由架はどうする?」




バレたことは恥ずかしいものの、今後この先今隠したとしてももう一度バレるときが来る。それなら今バレたことを認めた方がいいと思った。



甘いものが好きだなんてバレたら嫌だなと考えていたが、こいつには不思議とバレてもいいかなと思ってしまった。




「じゃあ私も食べようかな~。」



彼女がそう言うので俺はアイスを買う列へと並んだ。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




「海の仲間たちアイス、お2つでお待ちのお客様~。」



そう呼ばれ、俺はそのアイス二つを少し恥ずかしいなと思いながらも取りに行く。




それを由架に手渡すと「ありがとう」と笑顔で言われ、自分の表情が少しだけ緩んだ気がした。




コーンの上に乗った青色の着色料がたくさん入っていそうなアイスにイルカやくらげ、なぜかクリオネを模したチョコレートが乗っている。




チョコの色もカラフルで、体には悪そうだが味はとても美味しい。




「おいしい…」



俺がそう呟くと彼女は「見つけてよかった!…あ、アイス手に垂れてるよ。」
とアイスが垂れていた俺の手をティッシュで拭いた。



「ありがとう。」



そういってティッシュを受け取ろうとすると彼女は


「いいよ、アイス落ちるから食べてて?」


と言われ俺は言われるがままにアイスを食べていた。



けれど俺がアイスを食べ終わっても、なぜか由架は俺の手を拭いている。



「どうした?」



俺がそう聞くと、



「なんか、ベタベタがとれなくって…手、洗ってきた方がいいかも。」



彼女に言われ、俺はトイレへと足を運んだ。
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