第10章 初デート
明け方だろうか。
私はリビングのソファーの上で目を覚ました。
リビングで連絡を取ってから寝てしまったようだった。
かすかに体がいたいのと私の膝の上には大好きな裕の頭が乗っていた。
どうやら寝てしまっているようだ。
私は彼がいるため、身動きがとれない。
けれど、こういうのも幸せなのだなと何となく、思えた。
そして彼は私の手を握っていて、涙を少しだけ流していた…。
何があったのだろうと、思う反面と私のせいかなと思ってしまう反面があった。
「ごめんね…」
私はそう謝りながら空いていた片手で彼を撫でた。
男を泣かせるなんて私もとんでもないことをしているのだなと思う。
そして彼は多分、私が思っている以上に私のことが好きなのだろう。
こう思ってしまうのは私が都合よく解釈しているからなのだろうか。
そうじゃないといいなと心で願う。
今日は幸弥と話をする日で、本当に、次こそ、私の未練に決着がつく。
そして決着がついたとき、私は本当に次の一歩を踏み出すことができる。
その一歩を踏み出せば、また次のステージに踏み出せるのだ。
そしてそのステージにまた一歩踏み出すことが出来れば、私たちはまた前へ前へと突き進むことができる。
そのペースはゆっくりとだろうけど、彼とならどんな時間を棒にフっても無駄にならないと思ってる。
私たちが二人で歩む時間に無駄な時間なんてひとつもない、一秒一秒が宝物になるはずだから。