第1章 初恋はピュアじゃない
朝がきて目を覚まして、学校へ行く。
それが毎日の日課で当たり前。
でもその当たり前が
当たり前でなくなったのは
いつからだったかな。
「おはよう。由美。ねむ。」
「おはよう。」
目を擦りながらリビングへと
入ってきた兄に軽く挨拶をする。
「早くしないと大学遅れるよ。」
「あっ!やべ。もうこんな時間かよ。」
兄はそそくさとご飯を食べると
風のように出かけていってしまった。
高校3年生になった私には
1つ大きな悩みがある。
『兄に恋をしていること』
やばい、今日もお兄ちゃん
超かっこよかった。
クールぶっておはようしか
言わなかったけど、
もっと話せばよかったー!!!
心の中ではいつもこんな感じだ。
でもこんな普通じゃない想いは
バラしてはいけないんだ。
だからひっそり私の心に
しまって置こう。
そう思っていたのにその関係を
先にぶち壊してきたはまさかの兄だった。