第11章 STAND 11
二宮の母親が二宮の手をパシリと叩いた。
和「いって。なんだよ?」
和母「和也さん。母ちゃんと呼ぶのはやめなさい、といつも言ってるでしょ?」
和「母ちゃんは母ちゃんじゃん…」
口を尖らせながら、再び牛乳に手を伸ばす二宮。
母親がその手を掴み、ニッコリ微笑んだ。
和母「お母さま」
掴まれた手と母親の顔を交互に見つめる二宮。
和「………」
和母「お母さま」
二宮の母親の口角が更にあがる。
和「お、お母さま…」
和母「ふふふ。はい、どうぞ」
母親は掴んでいた手を離し、ニッコリ微笑みながら牛乳を手渡した。
こ、こえー!
二宮のお母さん、こえー!
雅「ひゃははははー!」
翔「あっははは!」
お互いの肩をバシバシと叩きながら、風呂場から雅紀と翔くんが出てきた。
楽しそうでいいなあ。
俺なんか、二宮と2人きりが耐えられなくてとっとと上がってきたってのに…。
雅翔「こんにちは!」
二宮の母親に気づいた2人は頭を下げながら挨拶をした。
和母「こんにちは。ふふふ。お風呂はどうでしたか?」
雅「とっても良かったです!ね、翔ちゃん」
翔「はい。すごく景色もきれいで…、広くてちょっと泳いじゃいました」
いいなあ。
いいなあ。
いいなあ。
和母「ふふふ。そう。あ、これどうぞ」
トレーを2人の前に差し出した。
そして、ニコリと微笑んだ。
うーん。この変わりよう…。
流石だぜ、二宮母!