第11章 STAND 11
風呂を出ると、脱衣所に着替えが用意してあった。
手に取ってみると、どれも新品で。
わざわざ買ってきてくれたのかな?
用意してくれていたジャージに着替えて脱衣所を出ると、母親と同世代くらいの着物の女性が立っていた。
手には色々な飲み物が乗ったトレーを持っていた。
この人がばあや的な人なのかな?
ばあやって言うには、若い気もするけど。
「こんにちは」
女性「こんにちは。お風呂はどうでしたか?」
「とっても気持ち良かったです。ありがとうございました。それと、着替えまで…ほんとにありがとうございます」
女性が口元に手を持っていきニコリと微笑んだ。
女性「まあ。しっかりした子ねえ。ふふふ。どういたしまして。あ、これどうぞ」
トレーを差し出してきたから、水の入ったコップをとって一気に飲みほした。
「ごちそうさまでした!」
女性「まあ。ほんとにしっかりしてるわね。ふふふ。あなた、おいくつ?」
トレーにコップを置いてから「もうすぐ13です」と答えた。
女性「あら?じゃあ、中学1年生?」
「はい」
女性「そう。息子と同じだわ。ふふふ」
息子?
まさか、二宮?なーんて、まさかなー。
和「母ちゃん、おれ牛乳」
風呂から出てきた二宮が女性の持つトレーの上のコップに手を伸ばした。
うそだろ⁉まさかが当たっちまったよ!