第10章 STAND 10
駅舎から出て、30~40分くらい歩いた。
俺も翔くんもすっかり服が乾ききっていた。
まあ、この陽射しだしな。
にしても、まだ着かねえのかよー!
マジ、あっちいし、疲れたー!
歩き始めた頃は、はしゃいで騒いでいた雅紀も流石に暑さにやられたようで、今は静かに歩いていた。
和「ついたよ」
漸く辿り着いた二宮の家。
そこは、立派な門構えのザ・日本家屋で。
ほわあ。でっけえ…。
何部屋あるんだろ?
もしかして二宮って、かなりなおぼっちゃま…?
雅「でっかー!」
翔「うっわあ、すっご!」
智「うっお、絢爛豪華!」
みんな唖然として門の前に立っていたら、二宮が「こっちこっち」と手招きしてきて、隣の建物を案内してきた。
雅「こっちのが家?」
雅紀が二宮の進行方向を指差した。
「いや。こっちは来客用の離れ。そっちは母屋」
二宮が歩きながら説明してくれた。
翔「すっご!すっご!すっご!」
智「ほお。ほお。ほお」
雅「はひょ~!」
「すっげ…」
俺もみんなも見るもの聞くもの、全てが驚くことばかりで。
だーって!
二宮ひとりにばあや的な人が5人も付いてるんだって⁉
ばあやって…。そんなのドラマとか映画でしか見たことねえよ!