第10章 STAND 10
和「銭湯…は、あるにはあるけど…」
二宮がチラリと翔くんを盗み見る。
ん?なんだ?
雅「どったの?遠いの?」
二宮は先を言わずに俯いた。
なんだよ?早く言えよ?
智「雅くん、、」
さとちゃんが俺と翔くんを見てから、静かに首を振った。
ん?だから、なに?
雅「……あっ、なるほど~♪」
雅紀が手のひらをポンッと叩いて、二宮と肩を組んだ。
雅「じゃあさ、にのみ~ん家とか、どうよ?」
は?なに言ってんだ?
二宮の家?…銭湯で良くね?
智「おっ♪それ、いいね~♪」
さとちゃんも二宮と肩を組んだ。
さとちゃんまで?
なんでなんで?
和「おれの家?……う、ん…、ま、いいけど?」
雅「にのみ~。あんがと♪」
雅紀が二宮の被っている帽子を取って、ワシャワシャと髪を掻き回した。
迷惑な素振りを見せずに、されるがままの二宮。
なんでなんでなんで?
翔「二宮くん、いいの?今日出会ったばかりの俺たちに…」
和「うん、いいよ」
雅「にのみ~、優しいよね~♪ほんとにあんがとね~♪」
智「二宮くん、ありがとね~」
翔「二宮くん、ありがとう~」
みんなが次々と二宮にお礼を言って握手をした。
俺も、するべき?
~なんて考えてたら、雅紀が二宮の手を引いて歩き出した。
雅「そうと決まれば早く行こうー!」
智翔「「おー!」」
え?え?え?
俺、ついてけてないっす!
ちょっとだけ、泣きそう…。
あ、ちょっとだけ、だからね!