第10章 STAND 10
俺は今、めちゃくちゃ…不機嫌です。
何でかって?
それは…。
雅「はあ~♪いい湯だねえ♪」
翔「うん。気持ちい~♪」
智「雅くん、櫻井くん。おいら先にあがるね~」
雅翔「は~い」
相変わらずさとちゃん風呂あがるの、早っ!
智「あ、そうだ。2人はちゃんとお湯に浸かってね~。それと、100数えてから出るんだよ~」
ははっ。自分は5分も浸かってられないくせに。
てゆうか、「100数えろ」なんて、年寄りくせえなあ、さとちゃんは。
~って、そんなことよりも!
俺の機嫌を損ねている主をギロリと睨み付ける。
そいつは、俺の隣で我関せずって感じで黙々と髪を洗っている。
和「…なに?」
俺の視線に気づいた二宮が、顔だけ向けてきた。
その顔は不満たらたらで。
「別に?」
和「“別に”じゃないでしょうよ、その顔は…。はっきりと言えば?」
身体を洗う手を止めて二宮の方を向いた。
「じゃあ言わせてもらうけどさ。なんで俺がお前と2人で入らねえといけねえんだよ?」
和「あ?おれだって嫌なんですけど?」
シャンプーを洗い流して、トリートメントに手を伸ばす二宮。
「俺もだよ!はぁ…」
風呂が2つあるのを見て、さとちゃんが俺と二宮、雅紀と翔くんとさとちゃんに振り分けて、入ることになった。
無言の俺たちとは違って、あっちの3人は楽しそうで…。
いいなあ。俺もみんなと入りたかったなあ。