第10章 STAND 10
そう。
俺は翔くんを怪我させたくなくて、とにかく必死だった。
どうやったかは覚えてないけど、なんとか俺がクッションの役割になることができたんだ。
そのせいか?
背中とかケツとかズキズキと痛むんだけど。
でもさ、翔くんは無事だったんだから、名誉の負傷ってやつだよ、な?雅紀、さとちゃん。
俺は2人に向かって目配せした。
雅紀が気付いて、自身の左胸をポンポンと叩いて、ニカッと笑った。
それを見て、さとちゃんも左胸を叩いたあと、大きく頷いた。
俺、いい親戚もったな…。
泣きそうだよ…。
へへっ。こんな珍しくセンチメンタルな俺も悪くはないよな?
和「ふんっ!松本なんていくらでも下敷きにしちゃえばいいんだよっ!」
二宮が乱暴に吐き捨て、地面をガッと蹴りあげた。
んにゃろ!
俺のセンチメンタル時間を邪魔しやがって!
後で覚えとけよ⁉
二宮の背中に向かって、舌を出した。
すると、さとちゃんがニヤニヤしているのが横目でチラリと見えた。
智「んふ。ふふふ。ふふふふふ」
いやいやいや。
さとちゃん、何その笑い⁉
怖っ!怖いからあっ!
雅「ねえねえ、にのみ~。このあたりで銭湯とかない?2人をこのままにしておけないじゃん?」
おお雅紀、やっさすいな~♪
このまま帰ったらマジでヤバイ!
お母さんに怒られるっ!