第9章 STAND 9
さとちゃんをなんとか説得して、今は使われていないであろうトイレで用を足した。
智「潤くん。水出ないんだから、外でしても同じだと思うけど?」
「それでも、立ちションはダメでしょ?」
大体さ、さとちゃん。
立ちションは、犯罪だよって教えてくれたのはあなたでしょーが!
智「そうだっけ?」
俺たちと入れ違いに翔くんと二宮が入ってきた。
便器が2つしかないから、仕方ないんだけど…。
この組み合わせはヤバくねえか?
ああ、俺がじゃんけんに負けたばっかりに…。
さすがに二宮もこんなところでは襲わないとは思うけど…。
翔「先生、松本くん。これ使ってください」
そう言って翔くんがウエットティッシュを差し出してきた。
智「ありがとう、櫻井くん。準備がいいねえ」
ええ。まあ、ね。
俺の将来の自慢の嫁ですから♪
「ありがとう、翔くん」
翔くんがにこりと微笑んで、トイレに入った。
俺はその姿をゆっくりと目で追っていく。
智「んふふ。潤くんのエッチ♡」
「は?なんで?」
さとちゃんが含み笑いをしながら歩き出した。
小走りしてさとちゃんに追い付く。
さとちゃんは、駅舎に戻るとくるりと振り返った。
智「潤くん、櫻井くんのこと好きでしょ?」
なぬっ!!!
うぐぅ。天然の勘の鋭さ、侮れぬ…。