第7章 STAND 7
翔「どうかな?」
和「うん。おいしいよ」
翔くんが、嬉しそうに笑う。
和「この卵焼き、翔が作ったの?」
翔「うん。卵焼きだけじゃないよ。この弁当は、俺が作ったんだ」
ニコニコしながら、自身の弁当を二宮に見せる翔くん。
和「くふふ。すごいね翔。おれは調理実習でしか包丁持ったことないよ」
翔「俺は、両親が共働きだからさ。中学に入ってからだけど、なるべく妹と自分の分くらいは弁当を作るようにしてるんだ」
へぇーそうなんだ。
知らなかった。
家族思いなんだね、翔くん。
翔「ほら、遠慮しないでもっと食べてよ、二宮くん」
和「ありがとう。それじゃ、このおにぎりをもらうね?」
翔「うん。食べて食べて♪」
いいなあ。
俺も翔くんの手作り弁当食べてえー!
雅「俺の唐揚げも食べてよ!うちのお父さんの自信作なんだぞお♪」
雅紀が唐揚げを箸で摘まんだ。
二宮が大きく口を開けたので、雅紀はそこに入れてあげた。
和「うん。おいしい」
雅紀が「だろだろー♪」と、とても嬉しそうだ。
雅「うちのお父さん、料理が趣味でさ~。休みの日にこうして作ってくれんだ~。うまいっしょ?」
コクコクと頷く二宮。
そうだろ、そうだろう。
おじさんの料理、マジうまいんだよな。
でも俺は、既に翔くんに胃袋つかまれました!
まだ食べてないけどね…。