第5章 STAND 5
はあ?
翔「疲れたの?」
〇〇「うん」
雅「そんじゃ、休憩しようっか?」
はあ?
そいつは、コクりと頷いた。
しかも、雅紀じゃなくて、翔くんの顔を見ながら。
智「あっ、あっちに駅舎があるよ。あそこで休もうか?」
さとちゃんが、指差す方にボロボロな駅舎が見えた。
雅「お、丁度いいね♪あそこで休もう♪」
雅紀が早足で駅舎に向かった。
雅「みんなー!結構きれいだよー!早くおいでー!」
雅紀が手を大きく振りながら俺たちを呼ぶ。
智「あーい!」
翔「はーい!」
2人が雅紀に手を振りながら応える。
智「潤くん、早く行こう!」
さとちゃんが、俺の背中をグイグイと押してきた。
強制的に歩くはめになる俺。
翔「俺らも行こう!」
そいつは、コクりと頷きながら翔くんの腰に腕を回した。
はああ?
どこ触ってんだよ⁉
翔くんたちの横を通りすぎているとき、そいつは、俺にだけ見える位置であっかんべーをしてきた。
はああ?
翔「ねえ、あそこまで歩ける?」
〇〇「うん。たぶん…」
翔「ほんとに?おんぶしようか?」
〇〇「え…いいの?」
翔くんが「もちろんだよ」とリュックを前にかけ直して、屈んだ。