第4章 STAND 4
「足首?が、どうしたの?」
翔「足首に何か…。人の手っぽいのに掴まれた気がして…、びっくりしちゃった…」
「根っこか枝に引っ掛かったんじゃない?」
そう言ってから、立たせようと手を取ってぐっと力を入れたときに、翔くんの後ろからピョコンと人の頭が出てきた。
「わっっ!!」
俺は、驚いて翔くんの手を離してしまった。
すると、翔くんの身体がうしろによろめいた。
「ああっ、ごめん、翔くん!」
翔「うん。大丈夫…」
まさか、人が居るなんて…。
草がボーボーで全く気づかなかった。
その人は、いきなり翔くんにぴったりくっついて、後ろからお腹に腕を回して抱きついた。
翔「な、なに?だ、誰?」
雅紀とさとちゃんも俺らのところにやって来た。
雅「君さ、なにしてんの?」
雅紀が翔くんのお腹に回されている腕をほどこうとした。
けど、その人が翔くんにガッチリ抱きついていて、ほどけない。
翔「あの、離して…」
翔くんが後ろの人物に顔だけ向けて話しかけた。
〇〇「いや」
いや、じゃねえよ!
「翔くん、嫌がってるだろ⁉離せよ!」
腕を掴んで、力任せに引っ張った。
〇〇「痛い痛い!やだ!やだー!」
頭をブルンブルンと振りながら抵抗してくる。
なんだ、こいつ!
ムカつくなー!