第4章 STAND 4
「雅紀。あと、どれくらいかかる?」
まだ腹を括れてないけど。
雅紀のヤル気に勝てる気がしない。
それに、翔くんも嫌々ながら着いていってるから。
帰るに帰れないと言うか、帰りたくないと言うか…。
―ガササッ、ガサガサッ
何かが走ってるような音が聞こえてきた。
風かなあ?なんて、ぼんやり考えてたら、、
智「なんか聞こえるね?」
さとちゃんが、俺の肩に顎をのせてきた。
「ぎぃやあぁぁーーーっっ!!」
完全に気を抜いていた俺は、びっくりして、さとちゃんを思いっきり突き飛ばしてしまった。
さとちゃんは、ゴロゴロと転がって、木にぶつかって止まった。
俺たちは、走ってさとちゃんの元へと向かった。
雅「さとちゃん、大丈夫?」
雅紀が抱き起こした。
智「ぁいたた…。大丈夫、だあ…」
さとちゃんが、頭を擦りながら立ち上がった。
ニコッと笑って、俺に向かって親指を立てて見せてきた。
ほっ。良かった。
翔「ほんとに大丈夫ですか?大野先生。どこか怪我とかしてませ…きゃっ!」
翔くんがペタンとその場に座った。
「どうしたの?」
翔くんに近寄った。
すると、翔くんが怯えた目をして、ふるふると首を横に振った。
翔「足首に…」