第8章 襲撃
俺たちの当初の狙いがバレてしまった。
風間さんが玉狛に向かおうと言うと、悠一が風刃を発動し、菊地原君の首を飛ばした。
迅「バレちゃ仕方ない。プランBだ」
俺「トリガー解除...雷刃起動」
俺がトリガーを解除し雷刃を起動すると、薙刀型の綺麗な黄色い刀身と金色の帯が現れた。
それを確認して前を向くと、悠一以外の全員が固まっていた。
どうやら全員、僕の事を男だと思っていたらしい。ここまで騙されてくれると本職としては嬉しい。
サァッと夜風が吹き、僕の髪が揺れる。
僕「みなさん固まっちゃってどうかしました?」ニコッ
みんな呆然と立ったまま動かない。何故か悠一まで。
僕「あの...本当に大丈夫ですか?」
全員『( ゚д゚)ハッ!』
あ、よかった。元に戻った。
あのまま動かなかったらどうしようかと思った。
迅「明希、誰と戦いたい?」
僕「じゃあ...風間隊の2人で。あ、そうだ」
その前に...と呟いて雷刃を3度振った。すると1秒も経たずに、振った先から緊急脱出の光が上がった。
『なっ!?』
僕「これで邪魔を気にせずに、目一杯楽しめる」
雷刃から出ていた金色の帯が消える。
風「黒トリガー!!」
僕「はい。これは黒トリガー【雷刃】。見ての通り、風刃よりも威力・射程・速度は上です。そして、この黒トリガーは本部未承認です」
『!?』
皆さっきから驚いてばっかりだなぁ。
さっさと始めてほしい。
迅「はーい。驚くのはここまでにして、さっさと片付けるよ。風間隊の皆さんは明希が相手してくれるよ」
風「別に頼んでいない!」
僕「勝手に1対2の形にしますので悪しからず」
そう言って一気に距離を詰め、雷刃を歌川君に向けて横薙ぎにする。
その一撃で歌川君のスコーピオンが砕け、脇腹が抉れる。スコーピオンはほんとに脆いな。
次の瞬間、背筋に物凄い殺気を感じ咄嗟にその場から飛び退いた。
先程までいた場所が派手に凹んでいる。
太「へぇ、今のを避けるのか」
迅「太刀川さん、あんたの相手は俺だ」
太「だってアイツ超強そうじゃん!俺もやりたい!」
先程の殺気が嘘のような雰囲気を纏っている太刀川さん。
今は風間さんに用があるから後にしてほしい。
僕「こっちが片付いたらそちらに行きますので我慢してください」
太「絶対だぞ!」
太刀川さんは玉狛のお子様みたいな感じの人だった。