第17章 仲間
帰り道
一緒に帰っていた嵐山隊と分かれ、僕は玉狛へ戻る。
未だに先程の映像と質問には腹が立っている。責められるべきは修君じゃないのに。
支部に着き「ただいま〜」と玄関のドアを開けると、奥からバタバタと大きな音を立てて、桐絵と栞ちゃんと遊真君が出てきた。
僕「みんなどうしたの?そんなに慌てt...」
小「明希!あんた『シュウ』だったの!?」
僕「...え?」
宇「実はさっきね?かくかくしかじかで嵐山隊とシュウが出てる番組を見てたの!」
空「その時とりまる先輩が『あ、明希先輩あっちの仕事復帰したんすね』っていつもの顔で言ったんだ。それで、藤咲先輩の前のトリオン体がシュウ?と同じだって気付いて今に至る」
小「ねぇ、明希はシュウなんでしょ!?」
期待に満ちた目で見つめられる。勢いで先ほど怒りが消えてしまった。
京介は大規模侵攻の時に近くで戦ってたからバレたんだろうなと思い至る。寧ろ今まで気付かれなかったのが奇跡に近い。
僕「...取り敢えずリビング行こうか。話はそこで」
そう言って3人を連れてリビングへ向かう。リビングには他のメンバーも揃っており、悠一に至っては面白そうな顔をしている。
ソファに座り、桐絵に急かされて話し始める。
僕「えっと...京介が言った通り『シュウ』は僕です。2、3年前からやってます」
そう言うと女子高生組は黄色い声を上げてはしゃぎ、三雲隊・ヒュース・陽太郎は驚いている。他は知っていたようだ。
その後暫く、女子高生2人に質問攻めにされた。
漸く質問攻めから開放されると、今度は最後にされた質問話になった。
小「今更あの事掘り返さなくてもいいのに、何でかしらね」
宇「ホントにね〜。でも、その質問に対する明希ちゃんの答え、凄くかっこよかった!」
栞ちゃんの言葉に全員が頷いた。そして修君がありがとうございますと礼を言う。
僕「そんな...僕は思った事言っただけだし…」
三「それでも、僕を庇っていただきました。ありがとうございます」
雨「私も、修君を庇ってくれてありがとうございます」
空「オサムを守る人が増えたな」
遊真君の言葉に「それは違うよ」と否定する。みんなの視線が再び集まる。
僕「僕は誰かを守るみんなを守るんだ。みんな、僕の大切な仲間だから」
空「ふむ、藤咲先輩とオサムは似たもの同士ですな」
僕と修君は顔を見合わせて笑い合った。
