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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第16章 捕虜


ヒュースの後ろへ回った途端、俺の両腕が落ちた。すぐさまヒュースから距離を取ってよく見ると、ヒュースが最初に放った触手のような蝶の盾が、歯車とは少し違う、先の尖った大きな車輪のようなものに姿を変えていた。両腕を落としたのはアレだ。
取り敢えず、これでは孤月は使えない。トリオンもかなり出ている。戦闘不能になるまで1、2分と言ったところか。

俺「やりやがったな」
ヒュ「貴様が守りを緩めるなと言ったんだろう?」
俺「そうだったな。指導が仇になるとか...やらかしたな…」
ヒュ「それでも貴様は強い。それだけトリオンが出ていてもまだ戦闘不能にならないし、今この状況からどうやって逆転しようか考えている。殆どの奴は、この状態になれば戦意喪失するか、自害する。貴様は精神も強いな」

ヒュースも悠一とは違った意味でストレートに言うから照れるな…。

俺「随分俺を買ってくれてるみたいだな」
ヒュ「強い奴には敬意を示す。俺が敬意を示すのは、今の所貴様を入れて3人だけだな」
俺「そりゃどうも。ってか敬意示すなら『貴様』じゃ無くて名前で呼んでくんね?藤咲でも明希でも何でもいいぜ」
ヒュ「では、アキと呼ばせてもらおう。」
俺「あぁ。あ、それともう勝負着いてるからいいかな」
ヒュ「?何を言って」
俺「まだアナウンス鳴ってねぇけど、ヒュースの負けだ。最後に気を抜き過ぎたな」

そう言い終わると同時にヒュースの周りが大爆発を起こす。煙が晴れると同時に戦闘終了の合図がなる。

♢♢

僕「あー楽しかった♪」

訓練室から出て来てグーっと伸びをする。後からヒュースが追いかけてくる。

ヒュ「おい、アキ!最後のはなんだ!」

僕の肩を掴んで物凄い剣幕で問い詰めてくる。取り敢えず落ち着け。

僕「アレはね〜...内緒」
ヒュ「何故だ?さっきはアレの事教えてくれただろう?」
僕「アレとこれは訳が違うからね〜。ヒュースはトリオン操作に秀でてるみたいだから、これ教えたら次は勝てなくなっちゃうかもしれないんだよね」
ヒュ「若しかしたら俺にも出来るかもしれないのか?」
僕「蝶の盾では出来ないかもしれないけど、ボーダーのトリガーでなら出来るんじゃないかな?...はい!この話は終わり!みんながポカーンとしてるからそろそろ離して?」

そう言われてヒュースがパッと手を離して部屋を出ていく。おぉ、めっちゃ速い。
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