第15章 行事
甘い香りが漂う厨房を後にして、瑠衣と共に配りに行く。
渡すメンバーにはラウンジに集合してもらっておいた。因みに、僕が渡すのは17歳組・18歳組・玉狛メンバー・太刀川さん・風間隊・上層部・諏訪隊・嵐山隊だ。
瑠衣は諏訪隊・17歳組・麻雀仲間に渡すそうだ。
ラウンジに着くとちゃんとみんな揃っていた。
僕「皆さんお待たせしました」
小佐「私等からのバレンタインチョコだよ〜」
1番に反応したのは太刀川さんだった。
太「おぉ!俺にもチョコくれんのか!」
風「うるさいぞ太刀川。2人が配れないだろう」
僕「大丈夫ですよ。待ちきれない太刀川さんには1番に渡しますね。...はいどうぞ」
マカロンも入った手提げから、太刀川さんの名前の書かれた箱を取り出して渡す。
受け取った太刀川さんは、それはそれは嬉しそうな顔で喜んでいた。ここまで素直に喜ばれると恥ずかしくなる。
出「藤咲ー!俺のもあるのか?」
僕「あ、うん!勿論!」
呼び出したメンバーに順番に渡していく。どの人も嬉しそうに笑って『ありがとう』と返してくれる。
瑠衣の方も、諏訪さんに頭わしゃわしゃされながらも、ちゃんと渡せているようだ。
僕「ホワイトデーのお返しは要りませんから、感想だけ聞かせてください!」
そういった僕に思わぬ人物が質問する。
穂「ありなのか?リクエストは」
僕「勿論です!」
穂「わかった」
穂刈先輩から質問されるとは思わなかった。でも、リクエストされるのは僕としても嬉しいから、断る理由がない。
全員に渡し終わると、次は上層部へ向かうため挨拶をしてその場を後にする。瑠衣は諏訪隊メンバーとそのまま作戦室に戻るようだ。
上層部会議室にて、沢村さんと一緒に城戸さん達にもチョコを渡す。
鬼怒田さん・根付さんには糖分控えめの物を、唐沢さんにはビターに奴、城戸さん・忍田さん・沢村さんには普通の甘い奴を渡す。城戸さんはあぁ見えて甘い物が好きなのだ。
城「わざわざありがとう。お返しは」
僕「お返しは要りませんから、感想またはリクエストをお待ちしてます」
城「そうか。ならば有難く戴こう」
忍「2人共忙しいのにありがとう。沢村君には今度ちゃんとお礼させて貰うよ」
沢「そ、そんな!喜んで頂けるだけで充分です!///」
感謝を述べる忍田さんに、沢村さんが真っ赤になる。初々しいなぁ。
