第15章 行事
次の日
今日は世間一般で言うバレンタイン。と言う事で、本部の厨房を借りてバレンタインチョコを作っている。作っているのは僕と瑠衣だけでなく、ボーダーの女性隊員の殆どが参加しているらしい。作る物は各自自由・材料は各自持参。昨日諏訪隊作戦室で、瑠衣が唐突に思い付いて僕に言ったのはコレに誘う為だった。
小佐「明希〜。今どこまで終わった〜?」
僕「ん〜っと、今生地を絞り終わった所だから、後は焼いてクリームを作るだけだよ」
小佐「早いね〜。私はもうちょっとかかりそう」
僕「終わったら手伝おうか?」
小佐「ううん、大丈夫〜。これは私が作る!」
僕「わかった。お互い頑張ろうね」
僕が作っているのはマカロン。外はサクッと、中はフワッした美味しいやつだ。昔、桐絵との約束で作ったのがきっかけで、マカロンは僕の得意スイーツになったので味にも見た目にも自信がある。
予め余熱しておいたオーブンにマカロンの生地を入れて焼く。その間にホイップクリームを作る。ホイップクリームにも種類を増やし、プレーン・チョコ・抹茶・ストロベリーの4種を作った。
焼けた生地を冷ましてからクリームを付けて挟む。記事もクリーム同様4種に分けてあり、同じ色で揃えたり敢えて違う色を組み合わせたりして可愛くしてみる。うん。我ながらいい出来だ。
最後に綺麗にラッピングして、渡す人の名前を書いて完成だ。
小佐「出来た〜!」
僕「お疲れ様、瑠衣」
どうやら苦戦していた瑠衣もちゃんと出来たようだ。中々いい感じに出来たようで、とても嬉しいと言う感情がSE無しでも伝わってくる。
小佐「明希もお疲れ様〜。あ、ここに分けて置いてあるやつ明希の分だから食べて」
僕「ありがとう。僕からも...はい。どうぞ」
小佐「ありがと〜」
交換したチョコを食べながら、作業後のティータイムを楽しむ。
瑠衣はトリュフを作ったようで、食べるとビターなチョコの味がとても美味しかった。
僕「これすごく美味しいよ。頑張った甲斐があったね」
小佐「明希に褒められちゃった。明希のマカロンも美味しいよ〜。流石だね」
僕「ありがとう」
食べ終わる頃には、他の女性隊員も殆ど終わり人数が少なくなっていた。厨房にはチョコやスイーツの甘い匂いが充満して、甘いのが苦手な人には胸焼けしてしまうのではと思うくらいだった。