第4章 熱と憂鬱【亜久津 仁】
私の幼馴染はとってもとっても恥ずかしがり屋でシャイです。
そんな幼馴染の亜久津仁は、バカじゃないのかよく風邪を引きます。
秋から冬へ、急に寒くなったり暑くなったりと季節の変わり目の気温差にやられた仁を夢子は看病しにきていた。
「ねえねえ」
「…」
そろそろお腹も空いてきたかと思い、おかゆを作り、もぞもぞしている布団に話しかける。
「ねーえー
おかゆー」
「…うるせえ
てめぇが作ったもんなんか食べれるか…」
「…なんで仁はそんなに意地っ張りなのかなー」
「あ"?
こっちは風邪引いてんだよ
寝かせろ」
「こっちは看病しにきてやってんだよ」
「あ"ん"!?ゴホッ…ゴホッ…て、めぇなぁ」
「あ!」
起き上がろうとした体を押し倒し、布団に戻す。
「動いちゃダメだよ!寝てなさい!」
「てめぇ…優しさとかねぇのかよ…」
頭が揺れてクラクラしたのか手を目の上に乗せ辛そうにする仁を見て、少し罪悪感が湧き出た。
「わかったよ…
もうほっとく」
「ぁ?」
「おかゆ、食べれるようになったら火かけてあっためて食べるんだよ!」
「ぉ、おい!」