第5章 好きなんだ
裕斗side
メイク中に携帯を触っていた。
SNSの確認をする。
フォローしている人はメンバーとプロデューサー、後は後輩達くらいだ。
俺は基本的に投稿などはしない。
圭がよく投稿している。
アイツ、またしてるな。
しかもさっき……
この時間は昼食中か?
そう言えば騒がしかったな。
投稿されているのを開く。
添付されている画像は瑞希が昼食を食べている所だ。
口いっぱいに頬張っている。
美味しそうに食べる。
まるでリス……
可愛い……
っ!////
不覚にもそう思ってしまった。
可愛い?
何考えてんだ。
最近、俺は変だ。
瑞希を見てドキドキしたり、無視されると少し寂しくなったり。
もしかしたら……これが……
恋?
いや、そんなはずない。
と言うかありえない。
俺らはアイドルでしかもメンバー。
そしてアイツも俺も男だ。
そんな事あってはならない。
「裕斗、もうメイク終わってるぞ?何やってんだ?」
真広の声で我に帰る。
そうだ、今日は生放送。
集中しねぇと。
「いや、何でもねぇ。」
もう少しで本番か……
瑞希……緊張してねぇといいけど。
考えないようにしておこうと決めときながら、俺は瑞希の事が頭から離れない。
ほんと迷惑だ。